商店街のクリーニング屋さん

崇志さんが、これ、クリーニングに出しておいてくれる?と、ワイシャツとネクタイを持ってきた。

受け取ったワイシャツの襟をみてみると、なるほど黄ばみがついている。家での洗濯では落ちなさそうだった。

「商店街の通りを、ずーっと歩いてくと途中で、個人のクリーニング店があって、そこがイイから」ということで、古い商店街の通りを歩いて行った。そこは商店街といっても、すでにその跡地という感じで、閉まっている建物も多い。それでも、まだ営んでいるお店もあり、古い木造の酒屋さんとか、レトロな洋菓子店もある。

クリーニング商会、という看板を目にし、足を止めると、入口の窓ガラスは真っ白に曇っていた。

扉を押して中に入ると、受付台の奥は工場のように洋服の洗い場になっており、もうもうと湯気が立ち上がっていた。

その湯気で、ガラスが曇っていたのだ。

初めて見るその様子に驚きながら、受付台の毛糸の帽子をかぶったおばあちゃんに、「ワイシャツとネクタイをお願いします。ここの、黄ばみがとれないみたいで」と両手で襟を持ってその内側が見えるように差し出した。

するとおばあちゃんは、「ああ、男の人の汗っていうのはね、とれないのよ」と笑った。そして私の顔をみて、「浅井さん?」と言った。ものすごくびっくりして、「どうして分かったの?」と言うと、襟についているタグを親指でなぞりながら、「このメーカー。何回か来てくださって、オーダーなの?とか、少しお話したことがあるの」としゃっきり答えた。

そのとき、おばあちゃんの長年の仕事の景色がふわっと頭の中をよぎった気がした。

服たちを託してお店を出て、仕上がりを受け取るためにまたそのお店に行くことを楽しみに感じられた。




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